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次に若い女性の絵だが、彼女は細い縄の上に立っていて、その下には口を大きく開けたワニが…………
彼女の名前はリリアン・マリー・グレイシー。
屋敷の主人マスター・グレイシーの最初の妻である。
彼女は裕福な家に生まれ、15歳のときに初恋をしたが呆気なく失恋。
しかし失意の中でマスター・グレイシーと出会い、彼らはそのまま結婚する。
そしてこの屋敷に住むようになったリリアンだが、屋敷の使用人であるマダム・レオタと非常に仲が悪く、お互い非常に憎みあっていた。
残忍な性格のマダム・レオタの中では、その憎しみの心が殺意へと変化していった。
その機会は突然訪れた。
あるパーティーが屋敷で行われたとき、マダム・レオタはリリアンに言った。
「屋敷の横を流れる川を綱渡りして欲しい」
と。実はリリアンは幼少のころにサーカス団に入っていたことがあり、それをマダム・レオタはたくみに利用したのである。
リリアンはあのマダム・レオタの頼みとあって、正直乗り気ではなかったのだが、多くの客を喜ばそうとしたのだろうか。結局は綱渡りをすることになった。
しかし、リリアンは知らなかった。
その川に、ワニがいるということを……………
マダム・レオタによって細工されたロープを、リリアンは慎重に渡り始めた。
だが、彼女が半分まで来たとき、ロープは突然切れてリリアンはワニの食事となってしまったのだった。
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