第九章・・・舞踏会

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●パイプオルガンを弾く亡霊の正体     舞踏会場の左側でパイプオルガンを弾き、亡霊を蘇らせているのはウルフガング・エリアス・ファーロングという霊である。   彼は1890年12月18日にアイルランドの裕福な家庭に生まれ、幼いころからピアノを習っており、両親に頼まれてしばしばパーティーでピアノの腕前を披露していた。     しかし、両親が急死してからは彼の人生は大きく狂ってしまった。  ウルフガングはいじわるな兄弟に家を追い出されてしまい、 国外に逃亡せざるを得なくなってしまった。   彼は失意の中アメリカに渡り、生計を立てるためにサーカス団のオルガン奏者として細々とした生活を送っていた。   そんな中、彼は同じサーカス団だったリリアンの夫であるマスター・グレイシーと出会い、その才能を認められて屋敷で雇ってもらえることとなった。   そして屋敷に移住したウルフガングだったが、彼はふとしたことから屋敷にある呪われたピアノ―――すなわち廊下にあったルートヴィヒのピアノをウルフガングは貰いうけた。    彼は何も知らずに素直にピアノを喜んだが、この時点ですでに彼の人生は呪われてしまった。   ある晩のこと、彼がピアノで練習をしていると、急にピアノの蓋が勢いよく閉まり、彼の手は重傷を負ってしまった。   もはやピアノの弾けない体となってしまったウルフガングは気が狂ってしまい、屋敷のパイプオルガンからワイヤーで首を吊って死んでしまったのである。
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