西辺り

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なにか変な気分になった作者   それを知らぬ、 感情のない自転車は どんどん進んでく   先程の坂道はもう見えない  曲がり道だったから     そして作者の目の前には また、さっきと似たような 上り坂があった   下り坂の楽しさを 数分前に知った作者の体は 覚えていた   自転車で一気にてっぺんまで登った   普通は自分でも驚くべきなのだが 下り坂が楽しみでならなかった 作者にはどーでもいいことだった   そしてワクワクを抑えたまま 下り坂を滑り出す   あまりの気持ち良さについ作者は叫んでしまった   周りに人がいたものなら 変質者として お巡りさんのお世話になっていたかもしれないが   あいにく誰も居なかった
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