32人が本棚に入れています
本棚に追加
そこには真夏の昼近く
と言う事もあってか
人はあまりいなかった
家はあるのだが聞こえるのは
蝉の鳴き声と
風に吹かれ揺れる木々の音
だけだった
そんな事を気にせずに
飲み物を求め
一心不乱に自転車を漕ぎ出す
人が住んでるなら
自動販売機はあるだろう
という確信とともに
しかし
どれだけ探しても
見つからない
目を懲らしながらも
街中でみる
細長い立方体は
視界に入らなかった
村もそろそろ通りすぎようとしたその時
遠方に紺色の立方体があった
その紺色の自動販売機が
どこのメーカーかまだ
わからない人は
探して見て下さい
天国に着いた気分であった
早速小銭を入れる
カラン
あれ?
と思い藁にもすがる想いで
もう一度小銭を入れる
先程と同じように
渇いた音が響くだけだった
水を求める頭を冷やしながら
自動販売機を調べる
電源が切れていた
天国から地獄に堕ちた
気分であった
最初のコメントを投稿しよう!