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 溜め息を一つ吐いてから意を決し部屋をノックした。大きな屋敷のドアの前に佇み待つ。  程なくして扉が開きなかから黒いスーツを着た妙齢の男がでてきて顔を確認してから中に入るように言われた。数分してから限界ギリギリな服装をした少女が出てきた。出てくるなり。 「待たせたね、下僕くん」  なんて嬉しそうに抜かす始末。だからここには来たくなかった。  今は十一月、薄々の黒いワンピースの下には下着だけのこいつの格好は見ているだけで寒い。いっそ凍死すればいいのに。 「今変な事を考えたでしょ。ヤラシー」 「ああ、お前が変死体で見つかるように神様に願ったところだ」  ふぅんと軽く流す。聞き耳持たないその傍若無人ぶりは少し尊敬する。 「まぁ神に祈る所は君らしいかな。なんせ君は―――」  そこで言葉が切れる。気付けば俺は円を睨んでいたようだ。円はにやにや笑う。 「人が悪すぎだ。嫌がる事はお袋からするなって言われなかったか?」 「別にいいじゃないか君はボクのモノなんだから。ボクがどう扱おうと勝手だろ?それともボクとの契りを破くかい?」 「はぁ……OK、わかった。  でもな円、最低限の人権が保証されるのも契約内容にあっただろにあっただろ?」  ブーブーと拗ねる円。まったくこのリトルデビルめ。初めて見た魅崎円はこの世の物とは思えない程綺麗な少女だと思うはずだろう。  それが神の悪戯か性格が極悪なのだ。神に承ったのは美貌と人の領域を越える知性。まさに男を惑わす小悪魔。本当に15歳なのかと疑いたくなる程だ。いや、彼女には年齢という概念は存在しない。それも魅崎円が神に受けた恩恵なのだ。 「それで今日はどんな用件で来たんだい?」 「………円、最近続いてる事件どう思う」 「幽霊自殺の事?」 「ああ、人がいきなり自殺するなんておかしいだろ?」 「うん、そうだね。まるで他の意思で死んでるみたいだよね。でも意思への介入なんて人間には無理だろうにさ。    だからさ、そんな事できる奴なんてたかが知れてるでしょ」   ―――そう死神は微笑んだ―――  
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