IV~side B~

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 半ば朦朧とするなかで、No.18の口をついて出たのは、『無意識』のうちに抱いていた『傷』だった。 「どうせ……あんたも……。俺を少佐殿の代わりとしか、見ていないんだろ……。ならば、願い下げだ」  その言葉を受けて、サードが笑った。  今までの皮肉を含んだ笑みではなく、心底おかしくてたまらない、というような笑いだった。  その笑い声に、No.18は忌々しげに目を細める。 「何がそんなにおかしい……?」 「君の反応は、極めて常識的だ。惑連の技術の成せる技かな。最近では珍しいくらいだ。だからこそ、引き抜きたいと思った訳さ」  解らない。  何が事実で、何を拠り所にすればいいのかが、解らない。  これまでにないほどの頭痛が、No.18を襲う。  それに追い討ちをかけるかのように、サードの笑い声が脳裏にこびりつき、離れなかった。 「……そんなに、面白い、か?」 「面白いと言うよりは、新鮮だな。見ていて飽きない」 「……俺は、あんたのおもちゃじゃない……」 「いや、我々は『doll』だ。他でもない、人間達に都合の良いように造られた、玩具に過ぎんのさ」  淡々と語るサードの口調に、いつしかNo.18は引き込まれていた。  すべてを奪われてなお足掻き続けるサードに、No.18は空恐ろしさを覚えずにはいられなかった。
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