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「では、質問を変えよう。本来『ヒト』には危険すぎる任務に就くため造られた我々に、惑連はどういう形で報いてくれたかね?」
「……あ……?」
僅かにサードは目を細め、鋭く前方を睨んでいる。その横顔を、No.18は見つめていた。
「そういうことだ。散々汚物処理を押し付けて、使い捨てにされるためだけに、我々は存在する訳だ」
「だからといって……」
No.18の反論は、サードの視線によってさえぎられた。
僅かに顔を傾け、再び唇の端に笑みを浮かべて、サードは静かに告げた。
「……君も、我々の所に来ないか?」
計算外の言葉に、No.18は返答ができなかった。
サードの考えが理解できないというだけではなく、先ほどの一件が著しくNo.18の判断能力を低下させていた。
「見た所、君は上層部に不満を抱いているようじゃないか? ならば何故、彼らの命令をおとなしく聞いているのかな?」
駄目だ。このままペースにのせられてはいけない。
そう解ってはいるのだが、思考回路の暴走は止まらない。
『理解不能』な現実が続き、明らかに処理能力を超えていた。
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