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「大丈夫、僕らはいつまでも一緒だよ?」
「一緒?もう、兄様と離れ離れにならない?」
「ああ―――お前は、僕が守るからね。安心していいんだよ」
他に方法が思い付かなくて
他に僕達を理解してくれる人がいなくて
こうすることでしか証明できなかった―――
ごめんなさい
お母様
「いたぞ!あそこだ!!」
「さっさと捕まえろ!あの双子にいくらの賞金がかかってるとおもってるんだ!!!」
「他のやつに先を越されるな!金は俺達のものだ!」
「兄様いやだ!離れたくない!」
「僕も、もうお前を離すつもりはないよ」
こうしている間にも、奴らはじりじりと距離を詰めてくる
僕らは確実に追い詰められていた
「――――1つ、僕に妙案がある。僕の言うとおりにできるかい?」
「兄様と共に居れるなら!」
「よし、良い子だ。お前はあの茂みに隠れておいで。僕が隙を作る、その間に逃げるんだ。そう、走って。後ろを見ずに。決して振り返ってはいけないよ?すぐに追い付かれてしまうから。走ったら―――そうだ、あのモクレンの木の下で落ち合おう。いいね?出来るかい?」
「―――はい。どうか兄様、ご無事で―――!」
「ああ、お前も。では、また会おう。愛しい我が弟よ」
こうして別れた
互いの無事を願って
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