お母様、混紡の僕を恥じていらっしゃいますか?

2/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「大丈夫、僕らはいつまでも一緒だよ?」 「一緒?もう、兄様と離れ離れにならない?」 「ああ―――お前は、僕が守るからね。安心していいんだよ」 他に方法が思い付かなくて 他に僕達を理解してくれる人がいなくて こうすることでしか証明できなかった――― ごめんなさい お母様 「いたぞ!あそこだ!!」 「さっさと捕まえろ!あの双子にいくらの賞金がかかってるとおもってるんだ!!!」 「他のやつに先を越されるな!金は俺達のものだ!」 「兄様いやだ!離れたくない!」 「僕も、もうお前を離すつもりはないよ」 こうしている間にも、奴らはじりじりと距離を詰めてくる 僕らは確実に追い詰められていた 「――――1つ、僕に妙案がある。僕の言うとおりにできるかい?」 「兄様と共に居れるなら!」 「よし、良い子だ。お前はあの茂みに隠れておいで。僕が隙を作る、その間に逃げるんだ。そう、走って。後ろを見ずに。決して振り返ってはいけないよ?すぐに追い付かれてしまうから。走ったら―――そうだ、あのモクレンの木の下で落ち合おう。いいね?出来るかい?」 「―――はい。どうか兄様、ご無事で―――!」 「ああ、お前も。では、また会おう。愛しい我が弟よ」 こうして別れた 互いの無事を願って
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!