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      「あ、忠義。今年はおんなじクラスやなあ?」   「おん、よろしくー」   「いえいえこちらこそ。何か中学のとき思い出すなぁ」   「せやな」     そうだ。 レナちゃんは大倉とは中学からの付き合いなのだから、それに比べたらわたしと大倉の仲なんてたかがしれているのだ、きっと。     いかにも仲良さげに話す2人を見てうらやましがるのも嫌だから、早々に靴を履き替えて学校の中に入った。もちろん笑顔は忘れず。     「あ、先に行ってるで!」     にこやかに、にこやかに。そう言い聞かせて階段までダッシュしようと足に力を入れたとき。     「何その愛想笑い!」     ふはっと笑った大倉に、若干カチンときて。     「何やとボン倉ぁあ!」     つい、本性をさらす、アホなわたし。      
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