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「あーもーほらっ帰るで!」
「ふぁーい」
始業式も誰かさんのためのお食事タイムも終わったので、学校に戻る道へと踏み出しながら、ふと隣の大倉を見上げた。
茶色がかったさらっさらの髪。むかつくくらいに整った顔。すらりとした体型(服脱いだらすごいけど)。
挙げればきりがないほど、ほぼ完璧の外見。
(……。むかつく)
そんな言葉しか出てこないのに、目が離せない。隣を歩いているだけなのに、鼓動はすこし早足になって。
「ん?なんかついてる?」
「べ、つにっ」
「ほんなら人の顔じろじろ見んといて~」
「み、見てへんわ!」
どこまでも、わたしの心を惹きつけて。
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