濃霧

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濃霧

この世界に生まれて。 何年もの時が過ぎ。 世界というものを生まれて来て初めて見たはずなのに。 生まれるまでの自分がなんだったのかもわからかないのに。 ただひたすら、今とこれからのためにそれまでを背負わされる。 私は旅人。 腰に片方は長めで細身の、片方は短めの二本のナイフを下げて、ひとりで歩いて世界をさまよっている。
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