狂乱享楽

濃霧

座りながら、ぼーっとしていた。

無音・・・。

濃い霧の中で、自分が歩く音すらなくなって辺りはまるで別世界のように見えた。

すると突然、遠くの方で音がした。

あまりに静かすぎてなんの音かすぐにわかった。

自然界では聞くはずのない、弦で金属の突起物のついた棒を飛ばす音。

つまり弓矢かボウガンから矢が放たれる音だ。