[六]

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潮風が私を抱きしめます。夏の期待で体を満たしてくれます。しかし同時に。内部では。期待のむなしさが刻み込まれています。だから。いま私が砂に刻みこんでいるこの足跡のように。地道に単調に夏を生き抜くのがいいのです。そしてたまに。かき氷をけずるために、平日の夏の海に寄るのがいいのです。夏は騒がしさに骨をけずるのではなく。できるだけ寂しい時間を見つけて、よりいっそう寂しい秋に備えて時間の手入れをしておくのです。さあ夏よ。今年も静かに氷をけずろう☆image=170734694.jpg
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