告白、そして――

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   ある日は急な残業で帰りが遅くなった。その頃は、仕事の始まりと終わりにもメールするよう、麗から言われてた。 「これって、彼氏と彼女の関係じゃ無くなってるな」  主と召し使いの関係じゃないのかな。  でもまあ、言う通りにしてれば、素敵な彼女だし。  モテない俺が、麗みたいな彼女を持てるチャンスは、これが最初で最後だろうな。  話しは戻って、残業の夜。  見積書の作成に格闘しつつ、夜の10時を過ぎた。事前にメールしておけば、問題なかったんだ。  しかし、得意先から10分おきに催促の電話が入り、それどこじゃなかった。  見積書を作成して、得意先にファックスして携帯を見るた。 「なんだこれ」  頭が痛くなるくらいの、着信とメールの受信が麗から送られて来ていた。  メールには、「仕事まだ」と「まさか浮気してないよね」のメッセージが交互に入ってる。  留守電には「ねぇねぇ、早く連絡して」だの、「本気で浮気なの」だの、10パターンくらいで入っている。  こんな時に連絡取るには、エネルギーが膨大に必要だ。  必死に作戦を練る。
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