序章

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   町中に溢れるラブラブなカップル。イベント毎にイチャついて、もてない野郎に見せつけてる。  でも、知ってるかな? そんな中に男の方が、不幸なカップルがいることを――  中でも、俺は世界一不幸じゃないかな。 「それって、浮気じゃん」 「はぁ? 取引先の担当者と商談しただけだぞ。どこが浮気だよ」 「女と、二人きりで会えば浮気でしょ」  俺の彼女、吉野 麗。  俺、坂本 龍二の半径1メートル以内に、女が入ると浮気と騒ぎ出す女。  日常生活において、麗の基準以内で生活する方法、または一般的な生活で浮気と判断されない方法を、誰か教えてくれ。 「だって、龍二の事が心配なんだよ。変な女に、誘惑されないよう気にかけるのは、彼女である私の役目でしょ」  麗が浮気と騒ぎ出し、30分ほどのうだうだ話しが続き、シメはこのセリフだ。  最初はこんなんじゃなかったのに、どこから狂い始めたのかな。  それとも、最初から――  
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