告白、そして――

6/19
前へ
/100ページ
次へ
   ナビの誘導で、車は俺の行動範囲の外に連れ出される。  麗ちゃんはどこに連れて行く気だろう。段々と街並みが、お洒落な雰囲気に変わっていく。 「坂本さん、この辺には来ないんですか」 「うん、初めて来た。俺には似合わない場所だろ」 「似合う似合わないは、関係ないですよ」  関係ない事は無いだろ。俺がこんなところにいたら完全に浮くだろうし、お洒落な女の子達は、冷たい視線を向けるに決まってる。  ナビが目的地付近、到着を報せる。  おいおい浮くの分かってて、こんなとこでメシ食うのか? 「麗ちゃん、場所変えないか? この辺りはちょっと俺には……」 「坂本さん、予約してるんですよ。諦めてください」 「予約って……」  近くのコインパーキングに車を停め、二人で歩き出す。  案の定、視線が飛んでくる。  そうだ麗ちゃん美人だし、あんな男とどうしてって目で見てるんじゃないのか。 「美女と野獣」  そんな声が、どっかから聞こえる。  だよなぁ、誰だってそう見るよなぁ。あぁ、帰りたいよ。 「坂本さん、このお店です。入りましょ」  
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3138人が本棚に入れています
本棚に追加