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僕がボウルと散らばった野菜を拾う間、頭上から彼女は説明を始めた。
「『千秋』は死にました。代わりに私が来たのです」
千秋――それは彼女の名前。死んだ彼女が動いている?
何か言おうとしたがそれは喉の奥に詰まり、クゥ、と奇妙な音をたてた。
「ご存知ですか、RPサービスというものを」
僕は再び彼女のほうを向いた。彼女が死んだと告げた彼女は、笑顔のまま淡々と続ける。
「ご本人様が死を悟ってなお心残りがある場合、限られた時間ではありますが、死後にこうしてre-place、代わって身体を作動させることができるのです」
「死を、悟る?」
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