no,1 私を殺して

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  とあるマンションの一室に住んでいる澤田 衿(サワダ エリ)はベッドから気だるい体を起こし、重い瞼を擦りながら、携帯を見た。   「…ふわぁ、もう昼か・・・・・やっぱり寝るのが遅すぎたか。ふわぁ~眠いなぁ。」     衿は日付が変わる一時間前から朝まで、趣味の読書をしていたらしく、まだ寝惚けてるみたいだ。     「あれ?眼鏡どこだろう…。…」     衿は眼鏡を手探りで探している。目が極度な近視なため視認距離が15cmで限界な衿。周りの風景はモザイクで埋め尽されている。     「ぅ~ん、どこにあるんだろ。…あ、テーブルに置いたんだ。」     目を擦りながら、ベッドから降りてテーブルに向かう。顔をテーブルに近付けて、眼鏡の形をした物を探す。     「あった。さて、今日は何をしようかな。」     現在、衿は無職を満喫している。以前は歌手という形で芸能界に入り、8年目を迎える前に芸能界を引退した。     私は引退の理由を身近でお世話になった人達にしか知らせていない。だからかメディアは引退の説をデタラメに口論していた。実にくだらない…    
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