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かい
ピピピピピピピピ‥
いつも通り目覚めの悪い朝だ。
ベッドからもぞもぞと顔をだし、目覚ましの音を止める。
俺は、鍛冶谷祐樹(かじたにゆうき)
大学一年になりたての至って一般的な学生だ。
最近よく見る夢。
最初はただの懐かしい思い出の夢だった。
不思議なことに事あるごとにその夢を見るようになった。
最初はあいつと家を出た所らへんまでだっただろうか‥。
ある日をさかいにその夢は進み始めた。
毎回毎回、30分番組でも見ているようにゆっくりと進む夢。
それだけでも不思議だったのに最近見る夢‥魚を釣ろうとしているだけなのに
なんでだろう‥俺の意識が怯えてる。
本能的にその先を見ないようにしている。
気になるけど、絶対に見たくない。
最近では不安と緊張と睡眠不足でそろそろノイローゼになりそうだ。
「医者に行こうかな‥」
それが打倒だと思い始めていた‐‥。
きっと俺は精神を患っているに違いない。
そんなある日、電話があった。
『優樹、最近全然帰って来ないじゃない。たまには顔見せに来なさいよ。』
「そうだな‥確かに最近帰ってないし、たまには帰ろうかな。」
そろそろ夏休みだ‥ちょうどあと1週間。
それを知ってか知らずか、母さんからの電話だった。
疲れてるだけかもしれないし、ちょっと田舎に帰ってゆっくりしよう。
「わかったよ、ちょうど一週間後から夏休みなんだ。せっかくだし、ゆっくりしたいから始まってすぐにそっちに行くよ。」
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