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つり革を持ちたったまま、街に到着するのを、待っていた、ためぞうの耳に…若い男女の声がきこえてきた………。
「おい…あいつみてみろよ。サムエ(甚平の長袖のようなもの)着てるぜ……。じじくせぇ………。」
「ちょ…ちょっと…聞こえちゃうよぉ」
(なんという事だろう…。若い耳というものは…嫌なことまで聞こえてしまう)
ためぞうは、街に付くと、デパートへ向かった。
その中のある店で…、マネキンが着ていたコーディネートを一式と店員がすすめてきた靴を買って…それに着替えた……。
(ふぅ若者は、金がいるのぅ……それにこのキラキラした服は何じゃ…おなごの服みたいぢゃのぅ……それに穴の空いたジーパン。靴なんか先が尖っていて、危ないのう………)
ためぞうは、ブツブツいいながらも…実はワクワクしていた…。
街にきたのなんて、もぅ随分と久しぶりだったから…。
いままでは、バスに乗って行くとこといえば…病院くらいだった……。
今日は、違う…
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