国内時差

9/9
前へ
/56ページ
次へ
『郵便屋さん いつもご苦労さんじゃなぁ~。 じゃワシは急ぐからまたの。 あっ!! そうじゃ、この間、隣の家の手紙が間違えてウチにはいっていたんじゃ……。 お前さんも、そういうのは気をつけなさい。』 ためぞうは、またスタスタと歩きはじめた…。 ホストの男は口を、あんぐり、あけたまま。 去って行くためぞうの後ろ姿を見送った……。 次に、ためぞうが向かった先はバス停。 「ワシは若返っても、 若い者には、ついていけん。 ワシのやり残したこととは一体なんなんじゃ…? 大きな木よ。教えてくれんかの…。」 家の近くのバス停で降りたためぞうは、肩を落としトボトボと家へと向かい歩いていた。 夕日の淡いオレンジ色が そんな ためぞうを寂しげに照らした
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

970人が本棚に入れています
本棚に追加