樹齢80年の奇跡

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その子の名前は…春菜ちゃん。小さい頃、父親を亡くし、女手ひとつで育ててくれた母が…病気で倒れたため高校を退学し…アルバイトをして…母の入院費を稼いでいる18歳…。 毎日、定食を届けてくれる時…ためぞうに優しい声をかけてくれる…今どき珍く純粋で優しい女の子だった………。 『ためぞうですが…今日は、焼き肉定食を頼みたいんぢゃが…。』 《ためぞうおじいちゃん、こんにちは。 焼き肉定食……ですか?》 『あぁ…今日は何故か肉が食べたくなってのぅ』 《それは良いことですね!お元気な証拠! それに今日は、なんだか、声が生き生きしてますねぇ》 『はて?そぅかのぅ…』 《出来上がり次第おもちしますね。ぢゃためぞうおじいちゃん、またあとで》 ガチャン……… (ワシの声…確かに違うのぅ………) ためぞうは、受話器を置く。
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