~第 一 章~『 期待 』

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というわけで、事件には関係なかったが、同じ演劇部に所属する、クラスメイトである梓を涼子は誘うことにしたのである。  梓はチケットを見ながら、涼子に言う。 「でも本当に良いの?私この前の事件全然知らないし」 「良いの良いの。先生も普通に許可してくれたし。それに、もらったのはあたしだからさ、どんな風にチケット使うかもあたしの勝手だしね」  そう涼子が彼女に答えると、発車ベルが鳴った。ドアが閉まり、独特の音を出し、電車が動き出す。 「涼子ー、グミ食べるー?」 「あ、食べる。あんがと」  由紀に差し出されたお菓子を受け取り、食べる。 むしゃむしゃとそれを食べながら、今日の昼ごはんは何を食べようかなー、とのんびりと彼女は考えていた。
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