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その光景に、涼子たち三人が思わず笑ってしまったのは言うまでもない。
「いやいや、偉い偉い。そこで皆のお陰、といえるのが凄いわねー、ねえ、百合」
男性の横に居た、髪の毛を一つぐくりにし、動きやすい格好をした女性が言う。
百合、と呼ばれた隣の女性は、ええ、と頷いた。
「おお、そうだそうだ。彼らを紹介しなくてはね。こっち来て」
石田は五人を連れ、下に向かう。そこには五人の人間が居た。
最初に、初めに発言した長身の男性が頭を下げる。
「豊里太一(とよさとたいち)といいます。よろしく頼むよ、桜ヶ丘高校の皆さん」
「はいはーい、次は私!」
手を挙げ、先ほど豊里の後に話した一つぐくりの女性が手を挙げる。
「私は中森佐奈(なかもりさな)!よろしく、若者達!」
元気にVサインをして彼女は笑う。涼子らは、若干その勢いに圧倒されるようにして、「よ、よろしくお願いします……」と静かに言う。
修が「……あの人元気だな」と呟いたのが、梓に聞こえ、梓は苦笑いを浮かべた。
彼女はそれを気にすることなく、よしよし、と元気に納得するように頷く。
そして、先ほど「百合」と呼んだショートヘアの女性の肩を叩く。
彼女は一礼すると、中森とは全く違った風に、自己紹介をした。
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