133人が本棚に入れています
本棚に追加
「私は小野百合(おの ゆり)といいます。よろしく」
にこり、と微笑み、彼女は名乗る。中森とは真逆、と言った感じの印象を彼女は五人に与えた。
すると、舞台の袖から男性二人が、出て来た。眼鏡をかけた男性と、たくましい体格をした男性だ。
後者の男性が、石田に言う。
「監督ー、これどういう空気ッすか? 大体は袖の中で聞いてたんすけど」
「んー。自己紹介の空気だな」
「ふうん……。じゃ、俺は大宮祐樹(おおみやゆうき)。よろしく」
片手を挙げて、大宮は五人に挨拶をする。涼子らは頭を下げた。
大宮は続いて、横にいた眼鏡の男性を肩でつついた。眼鏡の男性は、少し慌てて言う。
「あ、僕は戸塚 誠(とづかまこと)。君たちの満足ゆくものが見せられるように、が、頑張るよ」
落ち着けよ、と大宮にからかわれ、戸塚は少し困ったような笑みを浮かべる。
最初のコメントを投稿しよう!