~序  章~『 躊躇 』

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もう、こうするしか道はない。 罪を罪で隠すような、愚かな行動ということは分かっている。 しかし、もう限界だ。 もう耐えられない。 分かっている。全ては自分の弱さ所以(ゆえん)ということは。 だが、あいつらのやっていることは正しいわけではないだろう。 そうだ。正しくなど、ないのだ。 私が――正しいのだ。 自分の罪を隠すためではない。 自分のように、あいつらに脅かされる者を無くすための、正義の行動なのだ。 ならば、やるしかない。 さあ、私は「脚本家」。 殺人劇の――、幕開けだ。
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