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「ふ~」
俺は、腹の痛みから解放され、イスに座った。
あんなオレンジのボール…いや、弾丸に倒れるとは。
「俺もダメだな……」
しかし、あの弾丸は何奴?
「ほいな、お食べ」
俺は目を見張った。
運んできた大皿に盛られているのは………なんだろう。
「……なんだコレ」
「なにて、筑前煮やない」
そう言って凛は俺の肩を『バンッ』と叩く。
「恐ろしい………」
量がふざけている………
あ、お箸お箸、と凛は台所に行く。
俺は竹の子を食べてみた。くそっ、美味い。
「お行儀悪い!!」
凛は、ぷりぷりしながら箸を俺に渡した。
凛もイスに座り、
「「いただきます。」」
食事が始まる。
「美味しい?」
「ん、んまい」
「良かった…頑張ったんよ」
「そっか…」
コイツには迷惑をかけた。いや、かけすぎた。両親がいなくなってから、料理は任せっきりだったし…たまに俺が台所に立つこともある。料理自体は好きだし、それなりに腕もあると踏んでいる。
「お兄ちゃん、洗濯よろしく」
「おう」
俺の役目は洗濯。前に掃除もやると言ったのだが、『やって、お兄ちゃんぶきっちょやん』と切り捨てられた。
「どしたん?具合悪ぃん?」
「いや…大丈夫だ」
「ふ~ん……」
飯も食い終わり、俺は風呂に入りにいく。
脱衣場で、洗い物かごの中身を洗濯機に入れる。
俺が脱いだ服も入れる。
これで俺の仕事は終わりだ。
風呂のドアを開け、中に入り、まずお湯を体にかける。
「くっはぁ~」
湯船に浸かった。
風呂はイイ。今日をリセットしてくれるからなぁ。
「あれ?俺は大事なことをリセットした気がする………なんだっけ?最優先事項だったような気が…………」
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