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「って時間ねぇ!!」
「え?もうそんな時間?ってホントだ!!」
テレビでは、みのもん○が出ている。朝から元気だな。
「お兄ちゃん遅れる!!」
「そうでした!!」
俺は、凛が投げてきたサランラップを受け取り、ハリウッド級の玉子焼きにラップを張った。
「凛!!」
「ほいな」
凛は、その皿を冷蔵庫へ。
その間に俺は歯を磨く。
歯ブラシを持った所で凛が横に並ぶ。
兄妹で歯を磨く絵は、かなりシュールなハズだ。
歯磨きも終わり、俺は着替えるために山へ、凛は身支度を整えるために川へ…じゃなくてお互い自分の部屋へ。
着替えて出てきた俺は、同タイミングで凛と並んだ。
二人で階段を駆け降り、リビングへ。
「お兄ちゃん最終兵器!!」
「おぅ…最終兵器?」
凛が食わえているのは……食パン(焼いてない)。
凛が差し出したパンを何故か俺も食わえる。
何でだろう?まぁ時間が無いので後で考えよう。
玄関を出た俺と凛は、戸締まりをして、走った。
家の中も走ったが、無論、外も走る。
凛とは途中まで一緒の道なのだ。
「パン食べながら朝走るの夢だったんよ」
………なぜ俺も?っていうか食うの早くね?俺まだ半分残ってんだけど。
「もしかしたら、遅刻遅刻~って言いながらパン食べて走れば曲がり角で男の子とぶつかるかな~って」
漫画の読みすぎ、マンガの見すぎ。
っていうかお前パン食ってねぇじゃん。
「あ~ぁ、キューピッドが運命を引っ張って来なかったか…」
キューピッドもビックリの速度でパンを食い終わりやがって…
兄の俺がビビってんだから、赤の他人のキューピッドは、腰抜かして地面に転がってんのかもな。
凛と俺が別れるT字路が前方に見えた。
「お兄ちゃん!!ほなねっ」
「んがほが…」
凛はクスッと笑って……コケた。
気をとられた俺は電信柱に………
ガンッ。
俺…今日こんなんばっかりかな………
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