~プロローグ~

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「暮れぇ~なずむぅ~街のぉ~、ひかぁ~りとぉ~影のぉ~中ぁ~、去りぃ~行くぅ~貴方へぇ~、贈るぅ~言葉ぁ~」 そこのクソ教師。貴様ごときがその唄を歌うな。某有名教師の唄だぞ?云わば高みの存在だぞ? 教室には夕暮れの紅い光が射し込んでいる。このだだっ広い教室に、教師と二人。しかも面と向かって『贈る言葉』歌いやがった。 「んで、何?」 「ん、君を呼んだのはね……卒業に関してだよ」 卒業?今は春だぞ?今気にすることか? 「どういう意味だ?」 「このままだと…留年だね」 どがっしゃぁ。 「十夜くん。イイ感じにコケるじゃない」 「誰のせいだ誰の!!」 留年?何でだ?成績だってギリ赤点ないし、遅刻はあるけど欠席は無い。 「何で俺が留年か!!」 「君は…卒業見込みに値する。だけど…」 そう言って教師は机に肘をつき、両手を組み合わせ、その上に顎を乗せた。 「他のメンツが……危ない…」 っせい!! ぷろっふぁぁぁ… 「何が『危ない…』だ。俺に関係ねぇだろ!!つーかダセェ!!」 完全に右のストレートが教師の頬を捉えた。何か言いながら吹っ飛んだ教師は二回程ビクンッビクンッとした後、何事もなかったように立ち上がった。 「連帯責任だよ。連帯責任(はぁと)」 「キモいわッ!!」 おぷろぺぇぇ… 左のストレートが奴を捉えた。 腰の捻りが絶妙だったと自負しよう。 「しかも意味わかんねぇし」 「連帯責任を辞書で引くとねぇ……一人が悪事を働いた時に、皆で責任を分け合う……だって」 「そういう意味じゃねぇ……」 「君バカでしょ?意味はあってるよ?」 「うるせぇもっとバカ。そういう意味じゃねぇの意味がちげぇ。何で俺が……」 それを聞いて教師は立ち上がり、窓の近くまで移動した。 窓の外では、オレンジに染まる空の下、白球を追いかける野球ボーイズと、色とりどりのビブスを身につけた(あんなにカラフルで味方が分かるのか?)サッカーボーイズが青春を謳歌している。 「竹之内たちって、そんなにバカなのか?」 「体育以外……赤点」 アイツら…そんなにバカだったのか……
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