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ブラドゥ兄弟の事件から二週間が過ぎた。
今日は学期試験初日。
「ふわぁ~」
欠伸をし、洗面所に到着した僕は水で顔を洗い眠気を飛ばす。
「うわ」
連日遅くまでテスト勉強をしていた僕の目の下にはくっきりと隈(くま)が出来ていた。
はっきり言って僕の学業の成績は決して良くはない。逆に悪くもないのだが、流石にテストとなると、いつもこんな状態になる。
「刀弥様」
「あっ、ありがとう神楽さん」
僕の後ろでタオルを持ってきてくれた神楽さんに礼を言い、差し出されたタオルで顔を吹く。
「昨夜もご勉強ですか?」
僕の体を心配してくれてか、神楽さんが尋ねてくる。
「うん、最近は色々ありすぎたからテスト勉強も大変だよ」
メリアさんとの一件、ブラドゥ兄弟の一件と、ここひと月でかなり学校を休んでしまった。
休んでしまったことについて誰かを責める気はないが、授業の内容に追いつけていないのも事実だった。
「メリアさんや晃が羨ましいよ」
あの二人は成績が良い。
晃は元から知勇兼備と言っても等しい完璧人間だし、意外なことにメリアさんも成績が良い。本人の前で言うと怒られるだろうが、やはり年の功なんだと推測している。
「申し訳ありません。私がお教えできれば良かったのですが…」
俯いた表情で謝る神楽さん。
「そっ、そんなことないよ!」
慌てて言い返す。
神楽さんは学生生活を過ごしていない。だから僕が中学の中頃までは勉強を見ていてもらっていたが、それ以降は彼女自身から教え役を下りていた。
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