「妬み」と書いて「したしみ」と読む奴ら

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……ここでもない…よね? 誰に聞くでもなく、僕はそう結論づけた。 あの時、メリアさんは表情を一瞬曇らせたが、それも次の瞬間には消えていた。 精神的に僕より遥か高見に至るメリアさんが、そんなことで怒るとも考えづらかった。 じゃあ、やっぱりあれなのかなぁ。 魔女裁判の処刑場と同義語の教室で、僕はメリアさんが怒る理由のもっとも高いのを思い起こした。 「はあ、疲れたぁ」 担任が教室から出て行くと同時、僕は机に倒れるように横になった。 テストもなんとか終わり、初日の授業はこれで終わり。 テスト期間中は昼前に授業がなくなるのが、テストという試練を無理矢理押しつけられた学生にとって唯一の救いだ。 「初日から死んだみたいな顔だな」 ひんやりとした木製の机の冷たさに心地良くしていると、晃が寄ってきた。 「死んではいないけど、やっぱりテストってプレッシャーを感じない?」 「テスト程度でプレッシャー感じてたら、すぐにハゲるぞ」 普段から命に関わるような情報戦を繰り広げる晃にしたら、学校のテストぐらいでは重圧にもならないらしい。 「まあ、頑張れよ。俺は先に帰るわ」 テスト期間中だろうと、いつも昼はノートパソコンを開いて情報屋の仕事をしてから帰る晃が、珍しくパソコンを広げずに僕らより早く教室を出て行く。 何人かが同じ感想を持ったらしく、教室を出て行く晃を目で追っていた。 「まあ、そういう日もあるよね」 などと結論づけて、僕は再び顔を机につける。
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