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「…教団関係は気が引けたけど、私はどうしても図書館に出入りしたいの」
その理由は、旦那にはよく解っていた。しかし易々と同意は出来ない。
「…俺に得がない」
「お金だけじゃ不満?」
「不満じゃ無いが、教団に関わるには足りない」
ファフはそれを聴き、首を振った。
「旦那がハキハキ喋る時って、絶対意見曲げないよねー」
短くない付き合いの中で、ファフが学んだ事の一つだった。
しかし引き下がる気は、ファフにはなかった。
「お金は全部あげる」
ぐっ、と旦那は息を呑む。
「どっちみち私一人じゃ無理だし、匿名希望さんも私を通した旦那をあてにしてる筈だから」
矢継ぎ早な言葉。
「…いくら?」
旦那が折れた。
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