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広い二間続きの部屋の片隅で秀政は座っていた。
ここで待つようにと言われていた。
奥の部屋にも数名の小姓がいて、
その中にも一人…ポツンと座り、刀を抱えている小姓がいた。
その少年は穏やかな微笑みを浮かべて秀政を見つめ、軽く会釈をした。
昨日、信長の刀を持っていた小姓…
“竹”と呼ばれていた少年だ…
年は秀政より幾つか上のようで、大人っぽく落ち着いているように見えた。
秀政が立ち上がってその“竹”と呼ばれていた少年に近付こうとすると、一人の小姓が秀政の襟を後ろから掴んだ。
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