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「貴方は誰なの?」
絢芽は男に尋ねた。
「これは失礼しました。私はカイト。よろしくお願いしますレイラ"様"」
カイトと名乗る男は帽子を取り、紳士のようなお辞儀をした。
女は息を飲んだ。
(カッコいい…)
整った顔立ち、つぶらで悩ましげな瞳、薄い唇、真っ黒で柔らかそうな髪。
まるで人間とは思えない美しさだ。
『レイラ』は手を出し言った。
「本当に嫌なことのない世界へ連れて行ってくれるの?」
カイトは微笑み、その手を取って跪(ヒザマズ)いた。
「もちろんです、レイラ様。」
手の甲にキスをした。
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