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その日も昼近くに起きた俺は遅い朝食を一人で取り、とくに何かをする訳でもなくテレビの真っ黒な画面を見つめていた。
ふと時計を見ると短針は予定の時刻を指そうとしていて
「そろそろか…」
居心地の良いソファから重い腰を上げ、外着に着替える為に自分の部屋に戻る。
というのも昨夜―――
鳴るのは部活専用の着信音。
GOING STEADY
星に願いを
携帯の画面には
TEL..
着信.航平
の表示が。電話を受けると
「リュージ、明日どーせヒマなんだろ?一緒に祭回らないか?」と挨拶もなしに航平からの誘いがあった。"どうせ"という言葉が少々引っかかったが事実だから何も言えない。
俺はしぶしぶ、野郎同士での祭参加を承諾した。
集合時間は1時、場所は近くの空き地
こんな具合で話はまとまり、今に到る。
「なに着ていこ…」
クローゼットを見てみる
チームジャージ、制服、学校指定ジャージ、部活用のシャツと短パン…平日・休日はこれらさえあれば恐い物なしだったのだが…引退してからはどうもそうはいかないようだ。
さて、どうしたものか。
そうしていると不意に携帯が鳴った。
画面には
着信.マネ(小春)
と表示されている。
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