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「やぁだ、高村せんせったら~!もっと飲んで飲んで~!!」
僕の横に絡みつく中尾先生。目の焦点が定まっていない…。先生の一人が僕にそっと耳打ちする。
「中尾先生な、普段子育てとかで忙しいから、たまに飲み会やるとすぐこうなるんだよな…」
「…そ、そうなんですね…」
こんな調子で酒を勧められ、僕は飲めもしないビールや焼酎を煽り気分は最悪だった。
「ち、ちょっとトイレ…」
「こらぁ!逃げるな高村ぁ~!」
追いすがる中尾先生を振り切りトイレに駆け込む。胃がムカムカして気持ち悪い。頭もグラグラとしていた。
洗面所で顔を洗い、鏡に映った僕の顔は、酔った赤ではなく真っ青になっていた。
「…う~…気持ちわる…」
自分の状況を目の当たりにしたせいか、覚束なくなった足取りでみんなの所に戻ろうとした時、トイレのドアが開き桐谷先生が入ってきた。
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