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漆黒の闇の中、六つの人物が《影(シャドウ)》と戦っていた。
地面には黒と血の赤以外、色がない。
《影》は一匹二匹は弱いから、何の造作もなく闇へと帰せる。
しかし、いま彼等に襲い掛かっている《影》は数百、いや、数千。
いくら雑魚とは言えど、これだけの数に攻められれば一たまりもない。
「ぐっ!」
銀髪の少年が呻き声をあげた。
彼の脇腹からは、血が流れ出ている。
「大丈夫か!?ジャック!」
「これくらい・・・大した事ない・・・」
そう言うも、ジャックは呼吸をするのも苦しそうだ。
他の五人も、もう体力が限界に達している。
「この状況、かなりキツイね・・・」
青い服の青年が《影》を剣で切り裂きながら言った。
青年の右目は、額からの血で殆ど塞がっている。
「・・・」
水色の髪の侍は、無言で《影》を刀で斬りまくっていた。
左肩を負傷しているとは思えない動きだ。
彼等は際限なく現れる《影》を何匹も倒していった。
しかし、《影》はそれを上回るスピードで増殖していってしまう。
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