新人くんいらっしゃい

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新人の菊池直人が少し緊張した面持ちで、金曜日の夕方に新しいバイト先のカラオケ屋についた。 大きく深呼吸して、自動ドアの前に立つと、左右に扉が開いた。 「いらっしゃいませ~」と掛け声がした。 菊池直人はノロノロとカウンターに近づくと、今日からお世話になる菊池ですと言ったら、長い巻き毛で怖いメイクの女、瞳が紗香を呼びに行った。 買い出しに行ってる槙村に何にも聞いてなかった紗香は軽くイラッとしながら、事務所からカウンターに行く。 カウンターの向こうには、身長は紗香より少し高いが、痩せていて色の白い大きな目が印象的な可愛い少年がいた。 「はじめまして。副店長やってる湯川紗香です。店長の槙村から何にも聞いてないけど…、まぁ、とりあえず事務所に案内するね」紗香のつやつやしたショートボブの髪の毛を眺めながら、菊池は紗香の後について行った。
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