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瞳と木村彬はかなり盛り上がっていて、槙村が菊池を連れて来たのに気がつかない。
槙村が呼びかけてもシカトで、紗香がしょうがなく怒鳴る。
「瞳、仕事終わったなら早く帰りなさい。彬も仕事しないなら帰っていいのよ」紗香の言葉に彬と瞳は顔を見合わせて、反省した。
頭を下げる瞳と彬を横目に、槙村は全員に新人の菊池を紹介した。
女の子のような菊池の容姿に、紗香は勿論瞳も釘付けになった。
肩を落としながら、瞳は店を後にしたが、彬の仕事が終わったら遊びに行く約束をしていたから、菊池の事は忘れた。
麗子に菊池の可愛らしさを説明する紗香だったが、槙村の気持ちを知っている麗子は複雑だった。
「ハァ~。いいんですか、あれ」カウンターで楽しげにお喋りする紗香と菊池を見ながら、麗子はため息をつきながら槙村を突っついた。
「…?!べ、別に…。あ、でも、仕事中にお喋りは良くないなぁ」槙村はそう言いながら、呆れた表情を浮かべた麗子から離れ、盛り上がる紗香達に近づいた。
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