230人が本棚に入れています
本棚に追加
皆揃って、店の外に追い出されたが、口喧嘩している彬と瞳、いい感じの麗子と結希、一人の世界に入っている靖、眠っている紗香を挟んで槙村と直人がにらみ合いをしていた。
「僕はお酒飲んでないし、車で来てるんで紗香さんを送って行きます」直人は紗香の頭を引き寄せながら言った。
「菊池はもう帰っていいよ。酔っ払った紗香の面倒はいつも俺がみてるから」紗香が起きるとまずいので、槙村は無理には自分の方に引き寄せなかった。
「…。二人で一緒に行けばいい…」靖が近づいてきて、サラサラな紗香の髪の毛を優しく撫でた。
紗香が眠っている為、二次会はお流れになりそれぞれ散った。
直人と二人で紗香を送る話を聞いた麗子は、槙村の耳元で囁いた。
「槙村さん、見た目は完全に菊池さんに負けているから、ちょっと分が悪いけど…。ドンマイ」麗子なりに励ましているつもりだが、槙村はかなりへこんだ。
直人が車を駐車場から出して、店の前につけた。
槙村は爆音をたてて目の前に止まった車を見て驚いた。
直人みたいな外見なら、ミニバンや軽自動車かと予想していたが、ブラックのRX-7だった。
可哀想だが、寝ている紗香を狭い後ろのシートに寝かせようとしたら、直人に槙村が後ろに座って下さいと言われた。
槙村は直人を睨むが、直人に睨み返され仕方がないから直人の言う通りにした。
槙村が後ろに乗り込むのを見ると、直人は紗香の体を持ち上げて、そっとサイドシートに乗せた。
あいつ、顔に似合わず力があるなと悔しがる槙村を乗せて、直人の車は紗香の部屋に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!