副店長紗香

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朝の強い紗香が元気よく挨拶しながら、お店の中に入ると、事務所にある自分のデスクに店長の槙村シンジが寝ていた。 どうやら、槙村は朝は弱いようだ。 紗香はそんな槙村の後ろから近づいて、広い背中に抱きついた。 「…?!わあっ」槙村は驚きながらも、抱きついてるのが紗香だから悪い気がしなかった。 「ホント、マキは朝弱すぎ。あっちの方も弱いんじゃないの?」紗香が槙村から離れながら、呆れたように肩を竦めた。 「な、バカ、朝っぱらからなに言ってんだよ」紗香の言葉に年甲斐もなく照れた槙村。 「だって、朝やるのって気持ち良くない?」紗香は手早く自分のデスクを片付けながら言った。 槙村はあけすけな紗香の言葉にドキドキした。 紗香となら、朝弱いけど頑張っちゃおっかな~と小声で言いながら真っ赤な顔を上げると、紗香は事務所の中にはいなかった。 槙村は今になって、自分の言った事の恥ずかしさに気がつき、食材のチェックをする為に事務所から出た。
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