ケンカ

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ちらりと仁科を見れば、奴は無言でこちらを一度も見ず、窓から出ていった。 なにあの態度…… 恐怖感がだんだんと消え去り、今度は怒りが沸々と沸き上がってきた。 『あかりー?どしたのー? ていうかどこー?』 「…に…れ…」 『えー?』 「なによあれぇーっ!!!」 あたしは電話ごしに聞こえるのんきな声に怒鳴る。 『なにー? 優菜に怒られても困るー』 この際優菜の言うことは聞き流してあたしは愚痴った。 「なにあの態度!! あんなことしといてごめんの一言もなし!? しかもなんでいっつもアイツ上から目線なのっ!?」 『……』 「あー!もーうっ!! 来週研修会とか信じられない~~~っっ!!!!」 『…。 もしかして翔くんー?』 「…」 電話ごしののんきな声にあたしはフリーズした。
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