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「僕はその日、母方のお婆ちゃん家に行こうとしていた。
はっきり言って、僕は孤独が大好きだ。だから一度独りで旅がしてみたかったんだよね。
そういう訳で僕は独りで電車に乗り、お婆ちゃん家を目指した。
お母さんに9個目の駅で降りなさいって言われてたのに、僕は寝込んでしまっていた。
駅員さんに起こされた時にはもう終点の駅で、片田舎の小さな駅だった。
何て駅名だったかな??実は何線の、何て言う駅だったかもよく記憶していないんだ。
駅員さんに電車はしばらくないって言われて、僕はそのままホームで1人、電車を待っていた。
1時間程経った気がするのだけど、多分、実際は20分も経ってなかっただろうね。
キキーッと音が聞こえた。見ると灰色の電車がホームに入ってくるところだった。
終点の駅なのに、ホームには僕の他誰もいない。駅員さんさえ見当たらなかった。
その状況に何となくウキウキしながらベンチから立ち上がったら、急に誰かに両足首を持たれた。
物凄い力だった。僕の足首がメキッと音をたてるのが聞こえた。
体勢を崩して倒れた込んだそこは線路だったんだ。
左から電車が走ってくる。それはあまりにも無機質な殺戮の機械のように感じて、僕は夢うつつに恐怖した。
そして、そのまま僕は轢かれて確かに死んだ。
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