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シーンとなってしまった。何人かは携帯を開き、日にちを確認している。
「お、おいおい…お前まさかそれって…今日か!?」
「そうだよ。だから僕もさっき思い出したんだ。そう言えば今日、約束の日だなぁって。…予告の時間まであと…55秒」
皆、息を止め時を数える。
「皆はさ、僕がどうなると思う?? ははは、僕は信じないけどね。あやふやな記憶だし…」
30…21…15…
「皆そんな顔すんなよ。話は本当だよ。だけどまさか、僕がどうこうならないだろ。呪いなんて、あるはずないじゃないか。」
10、9、8、7、6…
「あ~早くその時間が来ないか……ッッ…!?!?」
一瞬にして、その男は消えた。
…どこ行った!?!?
「お、お~い!?生きてるか~どこだ~…」
全員総出で男を捜す。酔いも一気に覚めていた。
「…ヒッ…!!!! ねぇっ!!皆ちょっと来てッッ!!」
青ざめた顔をした女性が、障子から顔を出し皆を呼んだ。廊下を指差すその手は震えている。
彼女の指差す先には、おそらく電車に轢かれたのであろう、赤い肉の塊となった子供くらいの大きさの死体が転がっていた。
だがそこは、旅館にある普通の廊下。電車や車など通るはずもない。
…クスクス…
後ろから声が聞こえ、震えながら死体を見ていた者達全員が振り返った。
ウフフフ…
男が座っていた場所には、真っ白のワンピースを着た、髪が長い女性がクスクスと笑いながら座っていた。
「ねぇみんなつぎにはなすのはわたしのばんかなぁおもしろいはなしならたくさんしっているんだよ…」
END.
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