3255人が本棚に入れています
本棚に追加
『オレさぁ…』
次の言葉が出てこなかった。
何から話して良いのか分からなかった。
巧がタバコを吸いながら『何だよ…』とオレを見る。
『何でもない…』
オレが言うと巧は イラついた口調で話し出した。
『あのなぁ 大和。
思ってる事は口に出さなきゃ伝わらないんだよ。
悩んでる事を一人で抱え込んだって良い答えなんか出るわけないし。
オレだって少しは役に立つかもしれないだろ』
巧はタバコの煙を空に向かって吐き出した。
その言葉に気持ちが ほんの少しだけ軽くなってオレは口を開く。
『本当 その通りだな。
なぁ 巧。
オレ 好きな人がいるんだ』
『マジで!?』
さっきまでの落ち着き払った巧とは 打って変わり目を見開いて驚いている。
最初のコメントを投稿しよう!