兄妹~親に捨てられた話~

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  しばらくすると、一軒の小さな小屋を見つけた。 あれから半日は経っていた。 「…ほら見なさい…ッ!着いた…ッ!」 アルスは息を切らせながら小屋の方を指す。 ツギハギだらけの小さな家で、大人の身長より数十センチほど高いだけの造り。 傍には飼っているらしい鶏とヒヨコがとてとてと歩いていた。 ややあって、小さな小屋が軋むぐらい勢いよくドアが開いた。 中からは夫婦らしい男女と、二人の子供だろう男の子と女の子が出てきた。 女性は子供達に何やら怒鳴りつけていて、男性は後ろでただ心配そうに見ているだけだった。  
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