兄妹~親に捨てられた話~

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  アルス達が近付くと、女性は「何か用か」と無愛想に言ってきた。 それに対しアルスはにっこりと微笑み、自分達は旅の者で、次の目的地に行く途中である事。森を通っていると何やら騒がし…賑やかな声がしたので近寄った事を話した。 「相変わらずの猫被りだな」 ギルは誰にも聞こえないぐらいにぼそりと呟く。 アルスが何故か怒鳴っていたのかと聞くと、 「あんた達には関係ないでしょ」 女性は吐き捨てた。 アルスの額にびしりと青筋がたつのを、ギルだけが見ていた。 不穏な空気に気付いたのか、男性が慌てて間に入り、アルス達を子供達が見えない場所まで連れて行った。 そして息を潜めてこそこそ話しかけた。  
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