序章~始まりは理不尽に~

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  ……らしい。 気絶した後からは全く覚えてないので、途中からはアルスから聞いた話だ。   三途の川から這い戻り、覚醒早々、忌々しいそれをどうにかこうにか引き千切ろうと試みたが、 無理に剥がそうとすると、雷に撃たれたように痺れて動けなくなった。   そんな様子をゲラゲラ笑うアルスが憎々しく思えたのは覚えてるのだが。 後に聞いたが、   「…あの人が助けてくれなくても、あんたぐらい自力で撃退できたわ。 ま、でも、あの人に礼儀正しいか弱い乙女っていう好印象は植え付けられたわっ!おーほほほほほはへ」   という何とも気にさわる言い訳もかましていた。 まぁそんなこんなが旅の始まりだった。  
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