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稲穂道
(2007/9/30)
.
君と並んで歩いてる
一面美しく光る稲穂
真ん中の一本道
熱い風が紅葉色に変わる
9月が去っていく
.
隣の君のまだ半袖な腕が
何度も僕の手の甲に触れる
僕はその冷たさに驚いて
なんとかしてあげたいと思う
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僕のジャケットを差し出したら
きっと君は
「あなたが凍えるといけないから」
と言うだろう
でも僕は少し強引に君の肩に服をかける
.
2人同なじ 少し困った顔
でも決して交じり合うことはない
相当な勇気なのさ
君が凍えるといけないから
.
.
僕は君の冷たかった腕を思い出そうとする
でも上手くいかないよ
理由は分かってる
ずっとずっと長い時間が経ってしまったから
.
.
僕が君の肩を抱いたら
きっと君は言葉なく
立ちすくんでしまうだろう
でも僕は君の肩を離すことができない
.
2人同なじ 少し困った顔
でも決して交じり合うことはない
もう抵抗できないのさ
この瞬間(とき)が二度とやって来ないことを
知ってしまったから
.
.
一面美しく光る稲穂
真ん中の一本道
もう少し
君と並んで歩いていたい
.
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