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そこには背の高い男が立っていた
「・・・・・・」
扉の近くに立っている男は黙ったまま四人を見ていた
「何とか言えって」
銀二は力をこめて言うと
「・・・心配で来た」
男は静かにつぶやくようにいう
そして、四人のもとへ「のしっのしっ」っといった感じで歩いている
「浩二君はいつもしずかだよねぇですぅ」
舞花はやさしくいう
舞花はだいたい話している言葉の語尾に「ですぅ」を付ける癖があった
大男の名前は「藤村 浩二(ふじむら こうじ)」
身長は180を越えてとても高く体格もいいのだが、性格はおとなしく手も器用である
「にしても絵美!本当に大丈夫なの?」
恵里は部屋に来たみんなが気になっていることを改めてきくと
「全くもって駄目、どうしたらいいのかなぁ?」
絵美は頭を抱えながら叫ぶ
「もう、課題を変えるしかないだろう」
銀二は、しょうがなさげに絵美を見上げる
「それだけは絶対いや!」
絵美は勢いよく言うのだが
周りの仲間は苦々しい顔でこたえる
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